バイナリデータの入出力

fread()とfwrite()

バイナリデータを読み書きするには、fread() と fwrite() 関数を使う。これらはどんなデータでもバイナリ表現を使って読み書きができる。一般的な形式は次のとおり。

size_t fread(void *バッファ, size_t サイズ, size_t 数値, FILE *ストリーム);
size_t fwrite(void *バッファ, size_t サイズ, size_t 数値, FILE *ストリーム);

fread() は「ストリーム」から「サイズ」バイトの大きさのオブジェクトを「数値」個読み込んで、「バッファ」の指す領域に格納する。戻り値は実際に読み込んだオブジェクトの数。これが「数値」よりも小さければ、エラーが発生したか、ファイルの終わりに達したことになる。どちらかは feof() と ferror() で調べられる。

fwrite() は逆のことを行う。「バッファ」から「サイズ」バイトの大きさのオブジェクトを「数値」個、「ストリーム」に書き込む。戻り値は書き込んだオブジェクト数で、「数値」よりも小さければエラーが発生したということだ。

void型ポインタ

上の、「void *バッファ」というのは、void 型のポインタだ。void 型のポインタは、型変換を行わずに任意の型のデータを指すことのできるポインタで、汎用ポインタ(generic pointer)と呼ばれる。
fread() や fwrite() ではどのような型のデータを扱うかわからないので(違う言い方をすると、どんな型のデータでも扱えるように)、void 型のポインタを使っている。

size_t

size_t 型は stdio.h で定義されている型で、この型の変数はコンパイラがサポートする最大オブジェクトの大きさを持つ値を保持できる。基本の型ではなく size_t 型を使うのは、コンパイラがそれぞれの環境の違いを吸収できるようにするため。

sizof

sizeof 演算子は型、あるいは変数の大きさをバイト数で返す。

sizeof(型);
sizeof 変数;

sizeof を型に対して使うときにはカッコで囲む必要があるけど、変数に対して使うときにはカッコが囲んでも囲まなくてもいい。

例1

次のプログラムは、10 この要素(double 型)をバイナリでファイルに書き込み、開きなおして読み込んで、画面に表示する。当然だけど、ファイルを開くときはバイナリモードで開く必要がある。

#include
#include

double d[10] = {
    10.23,
    19.87,
    1002.23,
    12.9,
    0.897,
    11.45,
    75.34,
    0.0,
    1.01,
    875.875
};

int main(void)
{
    int i;
    FILE *fp;

    /* write array data */
    if ((fp = fopen("myfile", "wb")) == NULL) {
        printf("Cannot open file.\n");
        exit(1);
    }

    for (i = 0; i < 10; i++) {
        if (fwrite(&d[i], sizeof(double), 1, fp) != 1) {
            printf("Error: at writing.\n");
            exit(1);
        }
     }
    fclose(fp);

    /* clear array */
    for (i = 0; i < 10; i++) {
        d[i] = -1.0;
    }

    /* read array data */
    if ((fp = fopen("myfile", "rb")) == NULL) {
        printf("Cannot open file.\n");
        exit(1);
    }
    for (i = 0; i < 10; i++) {
        if (fread(&d[i], sizeof(double), 1, fp) != 1) {
            printf("Error: at reading.\n");
            exit(1);
        }
    }
    fclose(fp);

    /* display array data */
    for (i = 0; i < 10; i++) {
        printf("%f\n", d[i]);
    }

    return 0;
}
takatoh@nightschool $ ./sample_9_5a
10.230000
19.870000
1002.230000
12.900000
0.897000
11.450000
75.340000
0.000000
1.010000
875.875000

ちなみに myfile ファイルを cat すると、

takatoh@nightschool $ cat myfile
�(\u$@��Q��3@�p=
�Q������)@NbX9��?fffff�&@�(\�R@)\�(�?_�@takatoh@nightschool $

となっている。バイナリだから人間には読めない。

例2

上の例では、配列の要素を1つずつ書き込み・読み込みしていたけど、配列はメモリ上に連続して確保されているので、1つの塊として1度で済ませることもできる。

#include
#include

double d[10] = {
    10.23,
    19.87,
    1002.23,
    12.9,
    0.897,
    11.45,
    75.34,
    0.0,
    1.01,
    875.875
};

int main(void)
{
    int i;
    FILE *fp;

    /* write array data */
    if ((fp = fopen("myfile", "wb")) == NULL) {
        printf("Cannot open file.\n");
        exit(1);
    }

    if (fwrite(d, sizeof d, 1, fp) != 1) {
        printf("Error: at writing.\n");
        exit(1);
    }
    fclose(fp);

    /* clear array */
    for (i = 0; i < 10; i++) {
        d[i] = -1.0;
    }

    /* read array data */
    if ((fp = fopen("myfile", "rb")) == NULL) {
        printf("Cannot open file.\n");
        exit(1);
    }
    if (fread(d, sizeof d, 1, fp) != 1) {
        printf("Error: at reading.\n"); exit(1);
    }
    fclose(fp);

    /* display array data */
    for (i = 0; i < 10; i++) {
        printf("%f\n", d[i]);
    }

    return 0;
}

30 行目で配列を一気に書き込み、49 行目では一気に読み込んでいる。結果は同じになる。

takatoh@nightschool $ ./sample_9_5b
10.230000
19.870000
1002.230000
12.900000
0.897000
11.450000
75.340000
0.000000
1.010000
875.875000

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