if式

今日から Scala の制御構文を見ていく。まずは if 式。

……の前に、ブロック式。ブロック式というのは、ドワンゴの研修資料で便宜的に使われている用語だけど、要するに、複数の式を { と } で囲ったものだ。Scala は中の式を順番に評価し、最後の式の値がブロック式の値となる。

scala> { println("A"); println("B"); 1 + 2; }
A
B
res0: Int = 3

見ての通り、A と B が順に出力され、最後の 1 + 2 を評価した結果がブロック式の値として返ってきている。Scala の式は ; で区切る代わりに改行で区切ってもいいので次のようにも書ける。

scala> {
| println("A")
| println("B")
| 1 + 2
| }
A
B
res1: Int = 3

さて、if 式だけど、いたって普通の構文だ。見たほうが早い。

scala> var age = 17
age: Int = 17

scala> if (age < 18) {
| "18歳未満です"
| } else {
| "18歳以上です"
| }
res2: String = 18歳未満です

scala> age = 18
age: Int = 18

scala> if (age < 18) {
| "18歳未満です"
| } else {
| "18歳以上です"
| }
res3: String = 18歳以上です

if に続くカッコの中の条件式は Boolean 型である必要がある。

if 式は式なので、それ自体が値を持つ。上の例でも「18歳未満です」とかの値が返ってきているのがわかる。ということは変数へ代入もできるってことだ。

scala> var a = if (age < 18) {
| "18歳未満です"
| } else {
| "18歳以上です"
| }
a: String = 18歳以上です

変数 a に代入された。

ところで、else 以降は省略が可能だ。その場合には Unit 型の値 () が補われたものとして評価される。……ってことは、条件式が真の場合と偽の場合で返ってくる方が違うことになるんだけどいいんだろうか。

scala> a = if (age < 18) {
| "18歳未満です"
| }
<console>:13: error: type mismatch;
found : Unit
required: String
a = if (age < 18) {
^

あ、やっぱりエラーになった。こういう時はどうするんだろう。

sbtでプログラムのコンパイルと実行

今日はいわゆる Hello, world プログラムを作って実行してみる。HelloWorld.scala ファイルはこんな感じ。

object HelloWorld {
    def main(args: Array[String]): Unit = {
        println("Hello, World!")
    }
}

なんとなくわかるけど、細かく見るとわからないところもある。ま、今日のところはこんなふうに書くんだと思っておく。

で、もう一つ、sbt で実行するときには build.sbt ファイルというのを作る。これは sbt の設定ファイルだと考えておけばよさそう。

scalaVersion := "2.12.7"

scalacOptions ++= Seq("-deprecation", "-feature", "-unchecked", "-Xlint")

さて、これをコンパイル、実行する。当然 sbt を使う。次のようにして sbt を起動して、

^o^ > sbt

run コマンドを打ち込む。すると、sbt は main メソッドを持つファイルを探してコンパイルし、実行してくれる。次のようになった。

sbt:scala> run
[info] Running HelloWorld
Hello, World!
[success] Total time: 0 s, completed 2019/05/03 18:45:44

なんかいろいろ情報が表示されてるけど、「Hello, World!」って出力されてるからうまくいったようだ。

値と変数、型推論

昨日、Scala のインストールが終わったので、今日から使ってみよう。

適当なフォルダに移動して sbt console コマンドで REPL を起動する。そして “Hello, World!” と入力してみる。

scala> "Hello, World!"
res0: String = Hello, World!

1行目が REPL のプロンプトと入力、2行目がそのレスポンスだ。ここでは入力された値が String 型で Hello, World! という値を持つことが表示されている。res0 ってのは REPL が勝手につけた名前らしい。これは後から使うこともできる。

scala> res0
res1: String = Hello, World!

いくつか値を入力してみよう。

scala> 123
res2: Int = 123

scala> 12345L
res3: Long = 12345

scala> 1.23
res4: Double = 1.23

scala> 1.23e4
res5: Double = 12300.0

scala> 1.0 == 1
res6: Boolean = true

それぞれ Int とか Double とかの型に解釈されている。Scala には型推論の機能が備わっているので、型を宣言しなくても適当な型に解釈してくれる。

次、変数。Scala では変数は宣言してからでないと使えない。変数の宣言には var と val の2つがあって、前者は再代入が可能だけど、後者は再代入できない。試してみよう。

scala> var x = 3
x: Int = 3

scala> x = 5
x: Int = 5

scala> x
res7: Int = 5

scala> val y = 2
y: Int = 2

scala> y = 7
<console>:12: error: reassignment to val
y = 7
^

var で宣言した x には再代入できているけど、val で宣言した y に再代入したらエラーになっているのがわかる。

Scala では基本的に再代入できない val で宣言した変数を使い、var はあまり使わないとのこと。このへんは関数型プログラミングらしいところかな。

ちなみに、var で宣言した x に再代入することはできるけど、宣言の時に型推論が働いて x の型は Int になっている。なので Int 以外の型を代入することはできない。

scala> x = "hello"
<console>:12: error: type mismatch;
found : String("hello")
required: Int
x = "hello"
^

さて、ここまでは変数の型は型推論に任せてきたけど、明示的に宣言することもできる。次のようにする。

scala> val z: Int = 3 * 3
z: Int = 9

型を変数名の後につけるのは Go に似てるな。

以上、とりあえずここまで。

sbtとScalaのインストール

昨日は JDK のインストールをしたので、今日は Scala をインストールする。

といっても、通常は Scala を直接インストールするのではなく、sbt というツールを使うのが普通のようだ。そこで、まずは sbt をインストールする。

 cf. sbt – Download

上のダウンロードページから、最新版(1.2.8)の msi インストーラをダウンロード。ダブルクリックするとインストールが始まる。基本的に [Next] ボタンをクリックしていけば完了する。

sbt のインストールが完了したら、適当なフォルダを掘ってコマンドラインで sbt console コマンドを起動してみよう。こんなメッセージが出て入力待ちの状態になる。

^o^ > sbt console
Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM warning: ignoring option MaxPermSize=256m; support was removed in 8.0
[info] Updated file C:\Users\takatoh\Documents\sandbox\scala\project\build.properties: set sbt.version to 1.2.8
[info] Loading project definition from C:\Users\takatoh\Documents\sandbox\scala\project
[info] Updating ProjectRef(uri("file:/C:/Users/takatoh/Documents/sandbox/scala/project/"), "scala-build")…
[info] Done updating.
[info] Set current project to scala (in build file:/C:/Users/takatoh/Documents/sandbox/scala/)
[info] Updating …
[info] Done updating.
[info] Non-compiled module 'compiler-bridge_2.12' for Scala 2.12.7. Compiling…
[info] Compilation completed in 6.282s.
[info] Starting scala interpreter…
Welcome to Scala 2.12.7 (Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM, Java 1.8.0_201).
Type in expressions for evaluation. Or try :help.
scala>

これは Scala の REPL で、対話的に実行できる環境。Ruby の irb みたいなものだ。「Welcome to Scala 2.12.7」と出ているので、Scala 2.12.7 がインストールされたことがわかる。

REPL を終了するには次のようにする。

scala> :quit

次回からはこの REPL を使って、Scala を触ってみることにする。

JDKをWindowsにインストール

Scala は JavaVM 上で動作する言語なので、まずは JDK(Java Development Kit)をインストールする。

今、Oracle のサイトを見たら最新版が JDK12 になってるけど、Scalaの公式サイトのこのページによると、JDK12 は出たばかりで十分にテストされていないようなので、以前にダウンロードした JDK8 を使うことにする。

インストーラは Windows の実行形式(exe)になっているので、ダブルクリックして実行すれば、あとはほぼ自動で完了する。ただし環境変数を設定してくれないので、これは自分で設定する必要がある。

必要な環境変数は2つ、PATH と JAVA_HOME だ。PATH は実行ファイルの検索パスで、Java の実行ファイルがあるフォルダを指定(というか追加)する。一方、JAVA_HOME には Java をインストールしたフォルダを設定する。

それぞれ次のようにした。

  • PATH には C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_201\bin を追加
  • JAVA_HOME には C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_201 を指定

これでOKのはず。コマンドプロンプトで確認してみる。

^o^ > java -version
java version "1.8.0_201"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_201-b09)
Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM (build 25.201-b09, mixed mode)

大丈夫のようだ。

明日は Scala をインストールする(予定)。

Scalaを始めようと思う

新しい年には新しい言語を、ということで Scala を始めようと思う。

「新しい年」っていってももう3分の1も過ぎようとしてるけど、今からでも遅くはない、とにかくやってみようってことだ。

そもそも年のはじめから始めるつもりで去年の年末に「実践Scala入門」という本を読んだ。それが今頃になってしまったのは、俺の怠惰のせいなんだけど、とにかく今はドワンゴの新卒エンジニア向け研修資料というのを読んでいる。とりあえずはこれを読んでやってみて、「実践Scala入門」も読みなおしてみるつもり。

Scala は JavaVM 上で動作する、オブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングのハイブリッド言語だ。オブジェクト指向(Ruby,Python)も関数型(Haskell,OCaml)もやったことがあるけど、そのハイブリッドというのはなかなかに興味をそそる。

JavaVM 上で動作をする言語といえば、Java と Clojure をちょっと触ったことがある程度で、Java の知識もないに等しいようなもんだけど、まぁなんとかなるだろう。とにかくはじめてみる。

ついでにコップ本も買った。