レコード

レコードは代数的でないデータ型。C の構造体のようなもの。うまい例を思いつかないから,本に載ってるのをそのまま書くとこんな感じ。

data Point = Pt {x :: Integer, y :: Integer}

x,y をフィールドといい,それぞれ Integer 型の値を取る。具体的に値を定義するにはこうする。

Pt { x = 1, y = 4 }

代数的データ型を使っても同じようなことはできる。データ構成子が複数の引数を取ることにすればいいし,タプルにしてもいい。これらとレコードが違うのは2点。

  • 名前がついているのでわかりやすい。
  • フィールド名が,同時にフィールドにアクセスするための関数になっている。

2つ目のほうはこんな感じだ。

*Main> x Pt {x = 2, y = 3}
2

x という関数が定義されてるってことだな。

*Main> :t x
x :: Point -> Integer

さて,じゃあおなじフィールド名を持つレコードを宣言するとどうなるか。

data TP = Tp { x :: Int, y :: Int } deriving (Eq, Show)

data Point = Pt { x :: Integer, y :: Integer } deriving (Eq, Show)

これを GHCi にロードすると

Prelude> :l record.hs
Compiling Main             ( record.hs, interpreted )

record.hs:3:18:
    Multiple declarations of `Main.x'
    Declared at: record.hs:1:15
                 record.hs:3:18

record.hs:3:32:
    Multiple declarations of `Main.y'
    Declared at: record.hs:1:25
                 record.hs:3:32
Failed, modules loaded: none.

あー,やっぱりだめなわけね。

型シノニムと新しい型

型シノニム(type synonym)とは,既存のデータ型に別名をつけるというもの。String が [Char] であるのがよい例。
型シノニムを宣言するには type 宣言を使う。

type String = [Char]

newtype 宣言は「新しい型」を宣言する。type 宣言と data 宣言の中間的なもので,実体は既存の型とおなじであっても,元の型とは違う扱いをしたい,という場合に使うらしい。たとえば「実体は整数だが負の値は取らない」みたいな。
でもこれ,具体的な宣言の仕方が書いてない。まあ,あまり使わないのかな。